1. オルソケラトロジー全般について
1.1 どんな人に適しているのですか?
水泳やサーフィン、ダイビングなどのウオータースポーツや、激しい動きを伴うスポーツをされる方、職業上メガネ・コンタクトレンズの装用が不便と感じる方や、コンタクトレンズ装用時乾燥が気になる方など、裸眼で日中を過ごすことにメリットを感じる方に適しています。
また、オルソケラトロジーによって青少年の近視進行を抑制したことを示す論文も多く発表されており、今後オルソケラトロジーによる近視抑制効果に対する可能性がますます期待されています。*1
*1
Si, Jun-Kang; Tang, Kai; Bi, Hong-Sheng; Guo, Da-Dong; Guo, Jun-Guo; Wang, Xing-RongOrthokeratology for Myopia Control,2015″
1.2 すぐ効果が表れるのですか?またどんな人にも効果があるのですか?
効果については個人差がありますが、早い場合は装用翌日には効果が現れます。
最初は夕方には視力が少し落ちる事もありますが、毎日の装用を繰り返すと1週間から2週間で視力が安定します。
効果の現れ方には個人差があります。
1.3 レーシックなどの屈折手術とは何が違うのですか?
屈折矯正手術もオルソケラトロジーも、日中裸眼で過ごす事のできる近視矯正方法です。ただし、レーシックなどの屈折矯正手術は、1度施術したら元の状態に戻す事はできません。
それに比べ、オルソケラトロジーは復元性がある為、装用を中止すれば元の状態に戻ります。年齢的な視力の変化にも矯正度数を変更する事で対応することが可能です。
1.4 オルソケラトロジーで効果があるのは近視だけですか?
今のところは、近視のみに対する効果が実証されていますが、乱視や遠視については新しいレンズデザインの開発や研究が広く行われつつあります。
2. オルソケラトロジーレンズの使用について
2.1 誰でもオルソケラトロジーレンズを使用することはできますか?
すべての⽅にお使いいただけるわけではありません。
使⽤を始める前に、眼科専⾨医が眼の健康状態、近視の度合い、⾓膜の形状などを検査し、使⽤の可否を判断します。
2.2 レンズをつけると、痛みを伴いますか?
痛みはありませんが、装用直後は慣れるまで眼にゴロゴロ感、違和感を感じることがあります。
ほとんどの場合、慣れれば気にならなくなります。もし、痛みを感じたらレンズ内にゴミや汚れがついている可能性があります。
2.3 朝のレンズが取れない時はどうすればいいですか?
起床後、レンズが十分に動いているかを確認してから外すようにしてください。
もし涙が少なくレンズが動かないようでしたら、人工涙液などを点眼して、レンズが動くことを確認してから外すことを推奨しております。
どうしても外れないようでしたら無理に外そうとせず、眼科へ受診してください。
2.4 レンズが目の裏側にいかないですか?
目の構造上、結膜が袋状になっているのでレンズが眼の裏側にいくようなことはありません。
2.5 どのくらいの時間、レンズをつけていなければなりませんか?
適切な近視矯正効果を得るためには、個⼈差がありますが毎⽇6時間程度の装⽤が必要です。
2.6 レンズの使用による合併症が起こることはありますか?
レンズを適切に使⽤していなかったり、レンズやレンズケースを清潔に保っていなかったりすると合併症が起こり得ることはあります。
定期検査を必ず受け、眼科専⾨医の指⽰を守りレンズを正しく使⽤してください。
3. 治療について
3.1 どれくらいオルソ治療に通わなければなりませんか?
まず、オルソケラトロジーレンズの装用に適しているか、適応検査を受ける必要があります。
検査の結果、適していると判断されたら、装用開始翌日、1週間後、2週間後、1ヶ月後、3ヶ月後、以降は3ヶ月間隔で定期検査を受けることを推奨しております。
効果的な治療はもとより、安全で快適にレンズを装用するためにも定期検査は必ず受けるようにしてください。
3.2 装用を途中でやめた場合、近視はどうなるのですか?
レンズを使用していた期間や個人の眼の状態によって異なりますが、おおむね1ヶ月程度で角膜は装用前の状態へ戻ります。(=以前の角膜状態へ戻ります。)
3.3 将来角膜屈折矯正手術を受けようと考えてますが、影響しますか?
オルソケラトロジーは角膜を平坦化させることで近視を矯正します。また装用を中止することで、一般的に1ヶ月程度で元に戻ります。
眼科専門医の判断の元、角膜屈折矯正手術の実施可否をご相談ください。